晶の日記

見た展覧会や手芸など。時々民藝。

五島美術館「至高の陶芸ー日本・中国・朝鮮ー」へ

五島美術館「至高の陶芸ー日本・中国・朝鮮ー」へ。

開館60周年記念名品展で、自ら「至高」と題されているのですごく期待していましたが、私的には期待以上の素晴らしさでした。
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道入大好きなので、のんこう黒楽茶碗が目当てで伺いましたが、今回は長次郎の赤楽茶碗の素晴らしさに魅せられました。「銘夕暮」とはまさに!というような雰囲気。美しい色味と質感でした。乾山、光悦他、織部唐津信楽など存在感ある名品揃い。お茶の心得はないけれど、良いものは説明がなくても、良いんだなと思えました。

また、中国、朝鮮陶磁も素晴らしかった。特に中国のものは三彩、白磁青磁と見事なものばかり。三彩で白化粧の上に青と緑の釉がかかった壺に、これも三彩かと、三彩のイメージが新しくなったり。十八史略を読んだ後だけに時代背景までも親しみ深く、北宋徽宗が芸術を大変愛していたことも思い出しながら、それらがなんでも手に入る立場だったら…そうなっちゃうんでしょうねと思ったり(残念ながら皇帝としてはダメだったらしい)。歴史を知ることで楽しみが増すのかもしれないです。

もう一つの展示室は「更紗」。お宝の入った箱を包む「包み裂」にオリエンタルな雰囲気の更紗が好まれていたのが意外だった。よく見るとインドのものや西洋のものなど、柄にも違う特色があり、更紗の多様さを初めて知りました。私は鬼手・シャム系に分類されていた、インドで作られたタイ王室の伝統文様を表した木版で染められたものたちの持つ雰囲気が好き。更紗はあまり見たことがないけれど、面白かった。

 

お庭も薄や萩で秋の風情。
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五島慶太は実業家としても功績がありながら、コレクションの質も量もすごい。東急グループを始め、様々にその恩恵を受けられてありがたい。

展覧会は10/25(日)まで。
入口で検温、消毒してから入館でした。