晶の日記

見た展覧会や手芸など。時々民藝。

【つづき】ここ1年くらいの手芸の鑑賞&挑戦

ここ1年ほどの手芸に関する見たもの、挑戦したもののまとめの続きです。

先に書いた記事はこちら。

akio422.hatenablog.com

 

手工芸の展示を鑑賞目的で見られる機会はそんなに多くはなくて、特に美術館や常設展示で見られることは少ないと思っています。

2023年3月に京都国立近代美術館での「リュイユ展」フィンランドの手仕事です。

この織りものの質感、色合い、とても素晴らしかったです。f:id:akio422:20240314183041j:imagef:id:akio422:20240314183001j:imagef:id:akio422:20240314183026j:imagef:id:akio422:20240314183117j:image

 

京都へ行ったら伺いたい「ユキパリスコレクション」

2023年の3月と今年になってからも1月に訪問しました。

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ギャラリーに展示されているヨーロッパの刺繍やビーズの手仕事も素晴らしくいつも長時間滞在してしまいます。1階のアンティークのコレクションも洋の東西を問わず、美しいものばかり。建物やお庭、植栽などあらゆる方面から豊かな感性と美が感じられる場所です。

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京都では憧れの日本刺繍を、中村刺繍さんで体験させていただきました。

桜のお花を2つ、花びら合計10枚を刺すのですが、始める前には少なすぎない?もっとやりたいと思ってましたが、2時間で終わりませんでした!

2枚だけ綺麗にできている花びらは先生のお手本と終わらなかったので手伝ってくださった分です。生地の地の目に沿って刺していくのですが、肝心な地の目が時々しか見えなくて苦戦しました。でも、畳のお部屋に正座してお稽古するのも楽しくて良い経験になりました。f:id:akio422:20240314183409j:imagef:id:akio422:20240314183421j:image

今現在挑戦中なのは、南部菱刺し。まだまだ基本を練習中です。今回菱刺しはお教室に入れていただきました。南部菱刺しは20代前半?(もう何歳だったか忘れました)に青森の友達を訪ねた際に前垂れというエプロンみたいなものを博物館みたいな施設で見て、かわいいと思ってずっと覚えていました。ご縁があって、20年以上経った今、挑戦しています。

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今年も出会いや経験を楽しみつつ、いくつかのものについては深めていきたいと思います。

 

 

ここ1年くらいの手芸の鑑賞&挑戦

更新がずいぶんと久しぶりになってしまいました。

ここ数年は日々のことをインスタに投稿していますが、どんどん流れていってしまって自分でも分からなくなりつつあります。久しぶりにブログを見たら、自分ごとでありながら、すっかり忘れていることばかりでした。下書きフォルダにもたくさんタイトルと写真1枚とかで残っていましたが、もう感想もなんとなくしか思い出せず、残念なことをしてしまいました。ということで、今年を中心に近年自分が見てきたものを記録として残しておこうと思います。

 

今日はここ1年ほどの手芸に関する見たもの、挑戦したもののまとめです。

コロナ禍が落ち着きを見せ始め、恐るおそる外出を始めた2023年秋ごろから振り返っておきたいです。それぞれの手芸については追って一つ一つの記事にできたらいいなと思っています。(できるかな?)

 

コロナ禍は刺し子にはまりました。そんなに布巾いっぱい作ってどうするんだろうと思いながら、今になって振り返るとなにか無心に手を動かすことが必要な時間だったと思います。
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こちらは近藤陽絽子さんの本を見ながら自分で方眼を書いて図案を写して刺しました。

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2022年はギャラリーでカザフ刺繍を見せていただきました。

遊牧民の暮らしをしながら、移動式のお家を飾るものすごく手の込んだ刺繍。

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そして、2023年1月にワークショップに参加させていただきました。

木枠に布を張ってかぎ針でチェーンステッチを刺していくのですが、見るのと大違いで難しかったです。これを大きい生地一面に刺せるなんて。。。

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アンティークショップで綺麗な布小物を手に入れて、白糸刺繍に憧れが募りました。

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綺麗すぎる。。。
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そして、白糸刺繡の本を見ながら、まずは縁飾りを練習しましたが、なかなかうまく揃わず無心になって生地全面にやってみましたが、そのまま放置。

これは今年ちゃんとやりたいです。

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インドの刺し子というのでしょうか、「カンタ」をたくさん見せていただく機会もいただきました。素敵なものもたくさんで1枚大きいのが欲しいのですが、まずは小さい端切れを手元に。使い込んで柔らかく、凹凸のある風情がいい感じです。

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インドの手刺繍、この手法も興味があるので実物を入手していろいろ確認。

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自分でも試みました。これはなかなか時間が捻出できなくて止まってますが、

もっとやりたいことの一つです。

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夏にはトルコの「オヤ」の展示を見に行きました。かわいい。

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同じ時期にワタリウム美術館でトルコに関連した展覧会があり、山田虎次郎さんの所有物にもオヤがあるのを発見。f:id:akio422:20231112195611j:image

そして、オヤにも挑戦してみました!

まずはラリエット。編み物はほとんどやったことがなかったので、かぎ針の持ち方から教えていただいて、手が釣りそうになりながらなんとか仕上げましたが、私には超難しかったです。
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ちょっと慣れてきたので、憧れのビーズの縁飾りにも挑戦。

ビーズをスカーフの縁に編みつけていくのが大変で、数も間違えたり何度もやり直して完成したときは感動しました。
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調子にのって、イーネオヤという縫い針で編むオヤの初心者キットにも挑戦しましたが、こちらの方が難しく、一回作って投げ出しましたが心残りでほどいてもう一度作りました。底辺のパールの縫い込まれている部分がオヤの技法です。

どうやら、「編む」という行為は私には理解が難しくて苦手らしいです。f:id:akio422:20231112195658j:image

イーネオヤの貴重なコレクションも見せていただきました。

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秋には、インドカシミール地方の繊細な刺繍の施されたカシミヤのとっても素敵なパシュミナやストールの展示を拝見し、お話会にも参加させていただきました。

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こちらの本の表紙の刺繍です。素晴らしい技術と惜しみなく手間暇がかけられた品々で一生ものの宝物のようなものたちでした。欲しくなりますが、なかなか即決は難しく覚悟がいります。

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東欧の刺繍をたくさん見せていただき、現地のお話や歴史をたっぷりを聞かせていただくお話会にもお邪魔しました。東欧のものは初めて見たので新鮮。色鮮やかで可愛らしく、華やいでいました。

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2023年はイスラエルのガザ侵攻があり、パレスチナ支援を行っている団体のチャリティーイベントへ伺い、現地の女性の作られた刺繍小物を購入させていただきました。色も綺麗でとても可愛い刺繍。手仕事が不安な日々の支えになっていたらと思いつつ、平和に強く想いを馳せる時間でした。f:id:akio422:20231112200114j:image

そして、ずっとやってみたかった憧れの「ダーニング」の展示へも伺いました。

衣服のほつれや穴あきを修繕するにとどまらないクリエイティブなダーニング。

見ていてとても楽しいです。
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私もダーニングブローチのワークショップに参加させていただいて、かがり方などを教わりながらブローチ作ってみました。楽しかったです。同じテーブルを囲んだ初対面の皆さんとのおしゃべりも楽しくて、手芸の魅力をたくさん感じました。

修繕の必要でそのままになっている自分の愛用の服にもやってみようと思えました。
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まだあるのですが、長くなるのでその2へ続きます。

 

 

「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ展」東京都現代美術館

ずいぶん久しぶりの投稿となってしまいました。

 

東京都現代美術館の「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展へ。

こちらの展覧会は、パリ、ロンドン、上海、ドーハなどを巡回してきたとのことですが、展示されている品々も演出もとても贅沢で、大変見応えがありました。

 

壁一面にトワルが展示されていて圧巻。

回転しているものや、映像が映し出されているものもあって、さらには天井が鏡なので全面に白い服をきたボディに囲まれる異空間。SNSでも多く投稿されているお部屋ですが、一つ一つのトワルがきっちり作られていて、表現力と確かな技術を垣間見ることができました。

色のグラデーションを表現してしまうダイナミックさ。

この細々とたくさんあるものに心惹かれます。

お花に囲まれたロマンチックな空間のドレスはどれも華やかで憧れる。

ディオールの後継者である歴代のクリエイティブディレクターの中でもイヴ・サンローランのドレスが好きなので、そればかり見てしまいました。

可愛すぎる。

ジャンフランコ・フェレのドレスも華やかで素敵。

今までのディオールのメゾンで作られたドレスやバッグや香水などたくさん展示されていました。写真撮影も可能でしたが、やっぱり自分の好きなものばかり追ってしまいます。わたしはシルエットが綺麗でクラシカルな洋服に惹かれるので、クリスチャン・ディオール自身のデザインに魅了されました。

 

今回の展示で、ジャンフランコ・フェレが素敵だなと発見。

イヴサンローランは本当にかわいい。

そして、クリスチャン・ディオール

 

出口近くにあったこの言葉が印象的だった。

わたしもこういうアウトプットができるような人生を送りたいです。

 

とても良い展覧会でした。今年のベスト5に入りそう。まだ1月ですが。

 

 

岩立フォークテキスタイルミュージアム「シリアと周辺国の衣装」

岩立フォークテキスタイルミュージアム「シリアと周辺国の衣装」
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シリアの位置も周辺国がどこかもイメージすらできない浅い知識のまま、チラシの素敵さだけで訪問。

 

絣、絞り、刺繍という技法は日本やアジアのものに馴染みが深く、世界の多くの地域で見られるとは認識してるけれど、詳細はあまりよく知らなかった。展示品を見ていると、アジアのものとは似てるようで異なっており、刺繍などはヨーロッパに近いものを感じる。中東という土地からの恵み、人や物資の交流や宗教などの影響を受けて育まれてきた独自の感性や美意識と細やかな手仕事を見ることができた。個人的には絣に大胆な刺繍を施していたり、細かいクロスステッチ、100円玉みたいな飾り、色遣いが特徴的だと感じながら、興味深く拝見した。

 

チラシの裏面の文章、館長のコメントを拝読し、感慨深くなる。平和な世の中を願わずにはいられない。

 

展示は7月10日までの木~土曜
今は予約不要(人数制限あり)です。

 


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