晶の日記

見た展覧会や手芸など。時々民藝。

「ラージャスターン州 伝統の木版更紗と絞り」岩立フォークテキスタイルミュージアム

岩立フォークテキスタイルミュージアムラージャスターン州 伝統の木版更紗と絞り」へ。

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10周年の特別展の後期は染めの美しい布がたくさん。

木版も絞りも細かく気の遠くなりそうな熟練の技で模様が表現されて、その布をターバンやスカート、被衣としてたっぷりと身に纏う風習はとても豊かで贅沢に感じました。

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今回、ペイズリーの形をした花や木の模様が気になって(上の写真の左の列の真ん中)、ミュージアムの方とお話した際に聞いてみたところ、閲覧資料から模様の成り立ちを見せていただきました。元々は神聖な植物の図案から変化していって今のようなしずく形が一般的にペイズリーと呼ばれているようです。お花が変形して輪郭がしずく形になり、ペイズリーを連想させる模様の愛らしさが個人的に一番印象的でした。

実際に作られた方々は、手仕事に知恵を振り絞って美しいものを作り上げたり、スカートの裾周りのみにつける裏地などの環境に合わせた機能をオシャレに見せたりとか、本当に頭使って考えて、楽しみも加えて作っていたんだなと思うと、自分の日々のなんとなくな考えの浅さを思い知るようでした…。もっと真摯に生きたいなと。

まだまだ見たい展覧会はあるけれど、2020年はこちらで見納め。緊急事態宣言中は美術館とかいつ見に行けるんだろうと心配になりましたが、施設側の方々のご尽力のお陰様で観賞の機会が戻ってきて、本当に有難いと思います。今また第3波で外出しづらくなってきていますが、施設や観賞機会が存続できることを願いながら、応援できる多様な仕組みがあればなとも思います。美術館に限らず、今年は時代の転換期なので、大切なものを大切にしていけるようになりたいです。それが2021年への願いです。