晶の日記

見た展覧会や手芸など。時々民藝。

ミロコマチコ展 「いきものたちの音が聞こえる」世田谷文学館

一目見て、なんていい絵!すごく好き!見たい!!って思いましたが、世田谷文学館って場所が微妙で行くのはちょっとな…めんどくさーいってなっていた時、車で連れていってもらえることに!喜んでついていったら、本当に良かった。この生き生きとした生き物たち、色づかいにも表情にも描かれたしぐさにも愛を感じる。グッズも充実でさんざん迷ったあげく、手帳しか買いませんでしたが、手元に置きたい可愛らしさでした。

 

見るとワクワクが湧いてきて、幸せな気持ちになる絵。こういう気持ちって言葉で言われて感じるのとは違って、頭を通さずに見た瞬間に得られる幸福感。見に行けてよかった。
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こちらはワークショップでの作品
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 私が唯一お買い物した手帳。
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「marimekko SPIRITS」ギンザグラフィックギャラリー

2018年最初に訪ねた展覧会は、ギンザグラフィックギャラリー「marimekko SPIRITS」。

marimekkoってテキスタイルにして身近に置きたい、使いたい、纏いたいという想いが湧いてきます。日常を豊かにする素敵なデザイン。

地下の展示で、西芳寺からインスピレーションを得たデザインを撮り逃したのが残念でした。またいつかどこかでお目にかかれますように。

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2017年 心に残った展覧会

2017年もいろいろ展覧会に行くことができました。
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話題の展覧会にはあまり行きませんでしたが、ひたすら自分の好みを追いかけた年でした。全然知らなかった素敵な世界を見せていただけて、とても満足。記録として、こちらにベスト10を挙げてみたいと思います。

 

①「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」東京国立近代美術館
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樂家の初代から当代(15代)、16代目になる篤人さんまでの作品が一同に介し、さらに本阿弥光悦のお茶碗も並び、圧巻でした。時代や環境の影響もありながら、それぞれの個性が表現された器たち…。ますます樂家ファンとなり、2回見に行きました。

 

②「ソール・ライター展」Bunkamuraザ・ミュージアム
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とにかく格好良かった!としかいいようがない素晴らしさでした。日常があんなにドラマチックに切り取れるなんて、なんてセンスがいいんだろうと、図録を何度も眺めました。

 

③「池田学展 The Pen 凝縮の宇宙」日本橋高島屋
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佐賀、金沢での展覧会がTwitterで話題になっていて、最後まで迷いましたが、近くにいたので見に行きました。心を奪われました…。絵の細かさ、構図の大きさだけではなくて、細部にまで池田さんの想いや思想が詰まっていることに。自分のことを考え直したくらいの衝撃で、見ることができて、本当に良かったです。

 

④「エリザベス・ペイトン still life」原美術館
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http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/EfqidXFuato43SHDrU1Y/

ポスターの絵に釘付けになり、訪問しました。なんてオシャレなんだろう…カッコイイ、色もきれい、すごく素敵すぎる…語彙がない自分が悲しいですが、好きな世界観と出会えて嬉しかったです。原美術館も素敵だし、素敵すぎて、感激。

 

⑤「フランス人間国宝展」東京国立博物館 表慶館
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「美しさ」しかなかった展覧会。作品も見たこともない美しいものばかりでしたが、照明にこんなに感動したのは初めてでした。表慶館の建物も美しいですし、本当にうっとりな展覧会でした。こちらも諦めかけてたところ、オススメしていただいたこと、感謝です。

 

⑥「オルセーのナビ派展」三菱一号館美術館
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ナビ派ってなに?でしたが、この描き方と綺麗な色づかい、素敵、素敵!で本当にため息ものでした。

 

⑦「古唐津出光美術館
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唐津焼の大胆さ、素朴さ、文様の素晴らしさなど、器自体がとても美しく、時を経た味わいがありましたが、時代や地域の繋がりを見ることができて、充実した展覧会でした。白洲正子さんや小林秀雄さんや著名人を虜にした器たち。眼福でした。

 

⑧「熊谷守一展」東京国立近代美術館
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猫とか蟻しか知りませんでしたが、人柄が面白いと聞き、興味を持って訪問しました。初期の頃からどんどん作風が変化していましたが、自分に忠実な方なんだなと思いました。すごく昔に大原美術館で見た「陽の死んだ日」がまさかこの熊谷さんとは!とびっくりしました。自伝を読んで、私も好きになりました。

 

⑨「長沢節展」弥生美術館
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セツモードセミナーの長沢節さんのセンス溢れるファッション画とオシャレな暮らしが見える展覧会でした。躍動感があってオシャレな絵はやっぱり格好良かったです。

 

⑩「狩野元信展」サントリー美術館
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二代目にして狩野派を栄えさせたやり手の画家の活躍ぶりに圧倒されました。絵が上手いだけではなく、仕組みを作り、ビジネスセンスもあり、ただただ凄かったです。

 

感想を書いていて、改めて私は雰囲気重視だと思いました。今の空気を感じる素敵なものとか、その人の生き方が見える展覧会に感動したくて訪問しています。

 

今年はTwitter経由でオススメしていただいたり、評判を聞きつけて見に行ってみたりしたものに良いものがたくさんあって、たくさん見ていらっしゃる方々の感性や情報から素敵な出会いをたくさんいただきました。

 

その他良かったのは、智美術館の「八木一夫と清水久兵衞」。エレガントな空間にモダンな作品たちがとても似合って素敵でした。

草月会館の「勅使河原茜 個展/HANA SO」も、洗練されていてとても格好良かったです。

十和田市現代美術館での、村上隆さんの「スーパーフラット現代陶芸考」を見に行けなかったことが心残りですが。

 

番外編として、京都で拝見した「重森三玲庭園美術館」もとても素晴らしかったです。こちらは是非再訪したいです。


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2017年も素敵で感性を揺さぶられる展覧会に多く出会えて良い年でした。

来年も楽しく鑑賞できますように!

紅葉の京都を訪ねて

11月に仕事で必要な資格試験や、個人的な節目になることがあったので、落ち着いたタイミングで京都へ行って来ました。

8月に行った時は暑すぎて何もできず。。。今回は美しい紅葉を求めていろいろ見て回りました。見頃を確認しつつ、観光シーズンで混雑に巻き込まれないように、その上で、自分が惹かれる場所を上手く回れたと思います。今回、見頃かつ人気の東山方面はパスしたので、ゆったりできました。

 

初日はあたたかい晴れの日。西へ向かいました。

妙心寺・退蔵院
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水琴窟。初めて音色を聞きました。
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妙心寺・大法院

特別拝観中で、お庭を眺めながら、お抹茶とお菓子をいただきました。紅葉もいい感じに見頃でした。
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仁和寺

広い敷地内にたくさんの紅葉がありました。御室桜の時期にしか来たことがなかったので、全く違う景色にびっくり。たくさんの方々が紅葉の木々と記念撮影をしたり、とてもなごやか。
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来年、東京国立博物館で「仁和寺と御室派のみほとけ」展があるのも楽しみになりました。
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龍安寺

人気の石庭も紅葉した葉がまた違う景色。
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池の周りの彩り豊かな紅葉の木々が、池に映りこんで。。。それはとっても綺麗でした。
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2日目は雨。

北山の古田織部美術館にて、「光悦と織部Ⅱ」を見ました。新発見で初公開の本阿弥光悦作 赤筒茶碗 銘《有明》を鑑賞。春に見た楽家16代と光悦さんの作品が勢揃いした展覧会が思い起こされました。
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光悦寺

その後、鷹峯の光悦寺を訪ねました。
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紅葉は終わりかけでしたが、散った紅葉が雨に濡れて、それもとっても美しく。
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見事な光悦垣や向こうに見える鷹峯の山の色づきも楽しく拝見しました。
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3日目は曇り。

京都御所

朝から御所をお散歩。広大な敷地内に大きい木がたくさんあり、それぞれ見事に色づいていて、3日間の滞在で見た中で一番素晴らしかったです。鳥の鳴き声と、自分が歩く砂利の音だけの静かな空気。至福でした。
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重森三玲庭園美術館

事前予約していた、重森三玲庭園美術館へ。

重森さんが吉田神社の社家を譲り受け、お庭を作ったそうです。石を立てて大変ダイナミック!襖や照明も含めて、とても格好良かったです。
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真如堂

前日、見頃だと教えてもらったので、重森三玲庭園美術館から歩いて山を越えて、宗忠神社の中を通らせてもらって、到着。
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黒谷さん
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結局御所から平安神宮まで歩いてしまいました。

 

たくさんの美しい紅葉や景色を見て、リフレッシュし、満たされました。昔住んでたので会いたい人たちにもたくさん会えて、食事したり飲みながらたくさんの話をしたことも、本当に有り難く、自分の軸を思い出した感じです。この頃流れが変わっているので、これからが楽しみになりました。

 

京都は綺麗なものばかり。

また住みたいな。

 

サントリー美術館「狩野元信」展を見て。

2017年の展覧会で絶対見たかった「狩野元信」展。
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とはいえ「元信のここが好き」とか語れるようなファンではなくて、狩野派の描いたとされる屏風や障壁画やそれらが収められている寺院や城郭の雰囲気とか、そのくらいの時代の(安土桃山時代の)芸術文化がなんかいいなぁと思う。というくらいの薄いファンです。

なので「じゃあ元信ってどんな人?」と思って見に行きました。

元信は狩野派の二代目にして、狩野派の繁栄の土台を築いた人でした。絵もとても上手なだけじゃなくて、当時流行ってた中国の画風を3パターンの「画体」に分けて(馬遠や夏珪みたいな精密なのは真体ね、玉潤みたいな崩した描写は草体ね、牧谿くらいなら行体。みたいな。)、狩野派の絵師たちがそれを学んで元信のスタイルで描けるようにマニュアルを作って、それを専門絵師集団にして、大きい仕事をどんどん取りにいって業務拡大した人でした。

父の代までは漢画(中国の絵)を描いていたそうですが、元信は和風のやまと絵方面にもレパートリーを広げて扇絵や絵巻物にも進出し、特に扇は室町時代に人気の贈答品で需要が大きかったので、幕府に他の人たちが介入してこないようにお願いして独占してみたり、絵仏師が専門で描いてた仏画の世界にも進出していき、どんどんパトロンも増やして行ったそうです。

すごいですね。やり手ですね。

元信を見たら、次は永徳が気になりました。何かを知ると、次々関心事が派生して興味がつきません。私は絵自体を美的に味わうよりも、なんでこういう表現をしようとしたのか?どんなことを考えてたのか?など、その人自身に興味があるので、元信の、とにかく才能を発揮して大きく活躍していきたいっていう想いを感じて元信が好きになりました。おもしろかったです。

 

すっかり魅了された「池田学展」

私は展覧会情報を主にTwitterで収集していますが、「この方はとってもセンスが良くて素敵」と、勝手に密かにお慕いしている方がおり、その方が行かれた展覧会は必ずチェックしています。もちろん行けないこともありますが。

池田学さんの展覧会は、佐賀、金沢で大好評とはお聞きしていましたが、細いペンで細かくびっしり描かれている作風なので、私好みじゃないと勝手に思い込んでおり…

私は「小さいものいろいろ」より、「大きいもの1つ」みたいなわかりやすいものが好きです。食べ物でも前菜とかデザート盛り合わせより単品1つだけがいいし、ファッションもいろんなアイテムや小物をコーディネートするよりワンピースにアクセサリー1つで十分だしって感覚です(ちょっと違いますが)。

それなので、池田学展は迷ってましたが、前述の素敵な方がツイートされていたので、「もしかしたらいいのかな?」と心が動き、検索したら、池田さんの写真が出てきて、元々雪山を登ってスノーボードをしていた私にはとっても親しみのあるファッションと雰囲気だったので、「なんか好きな感じ!」と思ってやっと行ってみました。

それほど、迷いました…。
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そんな迷いの時間がもったいないくらいの素晴らしい作品しかない展覧会でした。

作業はとっても細かいですが、構成がダイナミックで、こもってる想いも大きくて、本当にすごい世界で脱帽。国内外や人生で見てきたもの、考えたこと、想像したこと、経験したこと、いろんなものが詰まってる日記みたいなというか、生き様みたいなものに感じました。
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絵や作品を見て心が揺さぶられる時って、作家の生き方や考えてることが垣間見えてる時だと思います。そして、もっと自分を生きようって刺激をうけた時なのかなと。

感動して、図録も本も買いました。
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毎日眺めてますが、どういう気持ちの時にどこを描いてたのかとかわかるとうれしいし、いろんなこと考えてるんだなと思うと同世代なだけに自分の視野の狭さに気づいたりもして、結局自分そのものが表現されるし、それは絵でも違う仕事でもきっとそうだよね…って思って、ハッとしました。自分の中身を育てたいし、大事にしたいなと思い至って。

 

日本橋高島屋8階ギャラリーで9日まで。

今年の私的感動した展覧会ベストスリー入り確実 です。

「運慶展」を見てきました。

東京国立博物館で9/26~始まった「運慶展」を見に行ってきました。
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特別展「運慶」公式サイト

 

運慶といえば、私の中では夏目漱石の『夢十夜』の第六夜。運慶が「木の中から仁王を取り出しているから、間違うはずがない」というところ。それくらい、生き生きとして力強かったです。血管が浮いてたり、肉付きも生きてる人間のような。強い目力や厳しい表情もあれば、優しく慈悲深いまなざしもあり、目が合うと見つめ返してしまいます。衣服の襞も風に揺れているような自然さで、綺麗な色や模様の細かさが微かに残っているところなど、当時の素晴らしい技の数々を見ることができて感激でした。 

でもやっぱりお寺を訪ねていって対面し、自分の心で対話したいな。というのが感想で、近々仁王像のいる東大寺南大門など、奈良へ旅したいという思いの掻き立てられる展覧会でした。

こういう大展覧会はTwitterで混雑状況を確認してから見に行ってます。朝はご高齢の方が並ばれていることが多く混み気味、日曜美術館での放映後や会期終了前は大混雑が予測されるので、始まったばかりのお昼過ぎでちょうど閉館までに見終わるくらいに行くのが一番快適なのではと思います。

来年年明け早々に、金沢文庫でも運慶展があるので、引き続きこちらを読んで勉強しておきます。

 

芸術新潮 2017年 10 月号

芸術新潮 2017年 10 月号