晶の東京日記

本とかアートのこと。東京にいる間は東京を楽しみたい。

「音楽とマリー・ローランサン」マリー・ローランサン美術館

明日1/14(日祝)で閉館してしまうホテルニューオータニガーデンコートにあるマリー・ローランサン美術館へ。最初で最後の訪問になってしまいました。
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マリーローランサンの人生を本で読み、絵も見たくなりました。

1883年にパリに生まれ、画家を志す中でブラックやピカソと知り合い、キュビズムの影響を受けるなどしながら自分の画風を確立。詩人アポリネールと恋愛関係となりますが、アポリネールモナリザ盗難事件の容疑(無罪でした)で警察に拘留されてしまったことをきっかけに1911年(28歳)にお別れし、1914年(31歳)ドイツ人男爵との結婚、戦時中にドイツ国籍を得たことから亡命し、1920年(33歳)で男爵と離婚、パリに戻ります。その後画家として成功し、舞台装置や舞台衣装のデザインも手掛けるなど大活躍し、1956年(72歳)で亡くなられました。。。

マリーローランサンの年表を見ると様々なことが書かれていて、家政婦だった女性を養女にしたり、晩年には戦時中にドイツ軍に接収された自宅を取り戻したり、最期は遺言によりアポリネールからの手紙の束を胸に旅立ったことが書かれていました。アポリネールは別れた後、マリーローランサンをモデルにした作品を発表し、マリーローランサンが亡命中に亡くなり、パリに戻った時にはアポリネールがいなかったということです。

 

そんなドラマチックな人生だったと感じることのないような、優雅な優しい絵でした。マリーローランサンの絵は、本人がブラックやピカソなどとは異なる独自の画風を確立させ、自分の世界観で成功し、自立した女性であったからか、見ていると「これでいい」という勇気というか「自分は自分のままで大丈夫」というような肯定的な気持ちを感じました。

でもなぜか何人か複数の女性が描かれている絵には私は絵の中の女性の視線が怖く感じられて、物憂げな一人だけ描かれた絵がいいなと思いました。
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自分もまた年を重ね、人生経験が増したらまた違う風に感じるのかもしれません。

閉館は残念ですが、またの再会が楽しみです。

「タータン 伝統と革新のデザイン展」三鷹市美術ギャラリー

2019年の展覧会初めは、三鷹市美術ギャラリーのタータン展へ。

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スコットランド発祥のタータンの歴史や、いわゆるチェックとは違いタータンには定義があり、専門機関に登録して使用していることなど、タータンの知識を学べる展覧会。

会場には100種類以上のタータンが展示され、タータンを用いた洋服、ドレス、学校制服、雑貨、インテリアなども展示されていました。

展示室の外で放映されている映像でタータンのスコットランドのデザイナーさんによるデザイン方法があり、それがとても興味深かったです。基本の色を縦横に並べ、そこからバランスをとってデザインしていくのがおもしろく、見入りました。

展覧会に行って、自分は洋服を含めタータンのものを全然持っていないことに気づきました。それが一番の発見だったかもしれません。。。。

 

【更新】2018年心に残った展覧会

12/9にベスト10を挙げて、展覧会はもう年内はおしまいと思ったのですが。。。

11月にいろいろ思うことありで、その流れから全く興味がなくかったものが見たいものに変化して、しかもそうして見たものがすごく良かった!

それなので、改めて選び直しました。

①「ミリアム・ハスケル~渡辺マリコレクション~」アクセサリーミュージアム

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今年はこの展覧会が本当にすごく良かったです。ミリアムハスケルコスチュームジュエリーの素晴らしさ、ミュージアムの館長はじめスタッフの皆さまと渡辺マリ先生の素敵さも憧れの女性としてインプットしました。自分の好きなことがはっきりしたという意味でも印象的。年明けから始まる後期が待ち遠しいです。

②「エキゾチック×モダン アール・デコと異境への眼差し」東京都庭園美術館
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アールデコの美しい作品だけでなく社会背景も勉強になり、展覧会の企画自体がいいなと思いました。美術館自体の建物と装飾、お庭の美しさ、ミュージアムショップの楽しさ、カフェの居心地の良さ、全部良かったです。

③「カタストロフと美術のちから展」森美術館

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現代アートには苦手意識があったけど、大惨事という極限からか共感できることや自分を省みることがありました。後半の前向きさにエネルギーをいただき、すごく良かったです。

④「国立トレチャコフ美術館所属 ロマンチックロシア」Bunkamuraザ・ミュージアム
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とにかく美しく綺麗だった。。。

⑤「全員巨匠!フィリップス・コレクション展」三菱一号館美術館

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西洋絵画のコレクション展はあまり見たことがなかったけど、様々な作家の作品が統一感をもって展示されていてコレクターの力量を感じました。

⑥「ムンク展」東京都美術館
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家族の死や自分の内面の不安や恐怖を描き続けていくのがすごく刺さったのと、後期の鮮やかな色彩に魅了されました。

⑦「幸せをよぶ手仕事 ユキ・パリスコレクション展」松屋銀座

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京都のミュージアムで何度も見てるのに、見る度に感動できる繊細な手仕事。職業ではなくて家族のためにこんなに美しい刺繍やレースを作れるなんて尊敬しかないです。

⑧「没後50年 藤田嗣治展」東京都美術館
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生き様を知るほどに美しさが際立って見えました。

⑨「長谷川利行展 七色の東京」府中市美術館
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描かれている賑わいや生き生きした感じが好きです。幸福感があるのにすごく客観的な目線を感じました。生き方も気になる人。

⑩「小倉遊亀展」平塚市美術館
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小倉遊亀さん大好きです。自立し、自分を律して生きられた清潔で凛とした空気感が絵から感じられて、生きる姿勢も尊敬します。

10に絞るのが難しく。。。

ブルックスブラザーズ展」文化学園服飾博物館と「キース・へリング POP.MUSIC&STREET」も入れたいです。

今年は昨年までと異なる自分の価値観が生まれてきました。今まで民藝や焼き物をはじめ好きと思っていたものがあったけど、今年になって公私共に我慢や無理をやめて好きなものだけに目を向けて過ごすようにしていたら、もっと好きなものが現れた感じです。そこに本を読んだり知識を補ったりしたら、ますます楽しくなりました。来年はもっと心のままに見ていきたいです。


今年もTwitterの皆さんからの情報や感想を拝見し、また、今年はInstagramを始めたのでそちらにも展覧会の感想を載せ、他の方々の投稿を拝見することにより楽しく鑑賞できました。とっても感謝しています。


2019年もよろしくお願いいたします。

皆さまに良い1年となりますように。

「アルフォンス・ミュシャ展」小田急百貨店新宿本店

本年最後の展覧会はミュシャ展。自分でも意外です。
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アクセサリーやジュエリーの歴史を知ることで、アールヌーボー期のミュシャの描く女性の装飾品が気になって見に行きました。

去年、スラブ叙事詩が来日しましたがその際は全く興味がなく、見てません。。。今回はチケットショップで見つけて展覧会をやっていることを知りました。
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サラ・ベルナール(上)の絵。

ユリの冠はルネ・ラリック作とのこと。
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アクセサリーついてるのばかり見ました。
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そうしたら、ミュシャは「装飾資料集」という図案集を作られていたという展示もありました。アクセサリー以外にも、食器や家具なども。
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食品のパッケージもかわいい。

展示の最初の方はポスターばかりでしたが、ポストカードも製作していたようで、またスラブ叙事詩を描かれるなど仕事の幅広さがすごいです。
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いろいろ勉強になりました。

たくさんの絵があるのでミュシャファンにはたまらないことと思います。撮影可能、割と混雑していました。

「フェルメール展」上野の森美術館

フェルメール展。私の私的な思い出のために見に行きました。
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20代の頃、今から15年近く前に知り合ったお兄さんがフェルメールが大好きでした。彼はアンティークの美しいものを扱う仕事をしていて、ツイードの三つ揃いを着こなし、フェルメールの分厚い本を見せてくれました。当時30代だったのではないかと思いますが、男性で美しいものが好きな人に初めて出会いました。

男性でクリエイティブな方々周りに多い環境にいたけど、際立って個性的で独自の世界があって。。。

2回しかお会いしてないけど、フェルメール知名度が上がり話題になる度に彼のことを思い出します。

私自身はフェルメールにはあまり関心もないけど、また会える日があるかもしれないから見に行きました。綺麗な絵でした。思ってたよりもずっと小さかったです。

ポストカードを買ったので、お手紙を書こうと思います。

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「カタストロフと美術のちから展」

カタストロフとはフランス語で「大惨事」だそうです。実はそれを知ってから、見たくなりました。それまで人名だと思ってたので…。不謹慎なようですが、今年も平成の間も災害が多かったので、アーティストたちはどう反応したのか気になりました。年内に見ておきたかったです。
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前半は大惨事と向き合うような、記録的な作品や風化しないようにとの思いを感じるもの、そして見えない大惨事を表出するような作品でした。自然災害や人為的な災害以外にも、精神や心、社会現象の歪みや痛みだったり…現代のこともあれば過去のこともありました。自分に重なることはやはり重たく感じます。

後半は、そんな大惨事からどう前を向いていくのかという行動と表現でした。
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自然災害などでは衣食住やライフラインをサポートする専門家や有志の方々がいらっしゃいますが、アーティストも心のケア、意欲の復活、楽しみや喜びを思い出してもらったり、コミュニティの団結など、幅広い場面で活躍されていました。また、自分自身の内なる惨事を癒すような作品もありました。
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↓この「つくることは…」がすごく心に響きました。

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武器を集めて鐘をつくる試み。

歴史では鐘を提供させて武器を作っていた、その逆の発想。こういう分かりやすい形で平和に向かえばいいのにって思う。
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こちらを見て、インナーチャイルドの癒しを思い出さずにいられなかった。
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最後の方で池田学さんの《誕生》がありました。画面下方に津波や瓦礫が描かれていますが、そこから木が生え花を咲かせ。。。壮大な作品。完成まで3年以上を費やし、小さく細かい線で細部にまでいろんなものが描かれ、それらは象徴だったり記録だったりしています。日々少しずつの前進が大きな結果になるのはもちろんですが、その1日1日にもドラマみたいなことが起こったりしていることを改めて感じ、感動しました。昨年初めて見たときから好きな絵です。
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じっくり見ようと思ったら何時間でもいられそうな充実の展示でした。海外の方も多くいらっしゃっていました。いい展覧会でした。

好きなものが変わる時

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この1ヶ月くらいの間で、自分が好きなものが全く変化してしまったように感じる。

変化っていうか「思い出した」とか、「本当はそうだった」のかもしれないし、自分への認識が追いついたのかもしれない。 

展覧会でいえば、私は20歳くらいの時に倉敷民藝館や柳宗悦に感動してから民藝や工芸品、染織や焼き物を見ることが好きだった。どちらかといえば日本美術に興味があり、古い町並みや自社仏閣や庭園が近くにある暮らしへの憧れから京都に移住してた時期もあったし、その間某関西地区の美術館でボランティアをさせていただいた期間もあり現代美術の面白さを垣間見たので、理解が難しいと思いながら現代アートも見るようにしてた。そして一番縁遠かった西洋美術には苦手意識があった。

でも1ヶ月程前に招待券をいただきムンク展へ行き、文化のブルックスブラザーズ展でチラシもらってオシャレだなぁとアクセサリーミュージアムへ行き、せっかくだしアクセサリー作ってみたい!と教室も参加し、ある日は会社帰りに間に合ってフィリップスコレクションへ行き、アクセサリーミュージアムで見たからアールデコつながりで庭園美術館へ行って、アクセサリーの歴史に出てきた神話つながりでルーベンス展へ。。。などとやってるうちに、いや、西洋美術っておもしろいのでは?と思ってきて楽しい世界がどんどんひろがり、今やいろいろ本も読んだり勉強中です。次はフェルメールとかロマンチックロシアに行きたいなーとか考え中。

でも、そうやって興味のままに行動できるのは、その前に捨ててきたことがあって、ゆとりと余白ができたから。

年初にいろいろ我慢や無理をしながら続けた前職(不動産業)を退職し、転職してから時間的精神的にすごく楽になったのが一番大きく、宅建やら賃貸不動産管理士の資格取得、保険の募集人、FPなどの勉強や更新、仕事に関わるお金回りや社会問題などの情報のインプットなどをやらないでよくなり、しかもそれが本当に苦痛だったので休みも休んだ気がせず気分もいつもイライラしてました。が、それも今はなし!他に個人的に勉強してた資格試験の準備も費やしたお金と時間がもったいないと思ったけどすべて放棄し、人間関係も無理は止めて、義務的にやってたことや人からの評価を気にするのを止めて…Twitterもツイートや写真を無断使用されていたためアカウントを作り直し…など一つ一つ止めてきました。

今やっと、世間一般から見てこうしておいたらいいんじゃないかな?と私の考えでもなく、そして周りの大切な人たちが期待してる姿でもない、私が考えた常識的な私になろうと空回りしてた気がします。誰のためにか知らないけど。

そういう無理は止めた時、なんにもなくなっちゃうんじゃないか?と思いましたが、結局は大切なことしか残らず、失ったものはほとんどなくて、それで大丈夫みたいなので、年末の今、全て良しという気持ちです。むしろ、今の方が何倍も良い!

何度か大変なことやしんどいこともあったけど、支えになるのは好きなことや夢中になれること。楽しむために生きているので、そちらに目を向けいい未来を描いて、それを見て、そして動くことが人生を作るんだなと実感しました。自分を大切にして、大事な人たちといい関係を作っていきたいです。

 

好きなものが変わることは、自分に素直になれてきた証しかなと思います。これから自分がどこに向かっていくのか、自分でも楽しみ。