晶の東京日記

本とかアートのこと。東京にいる間は東京を楽しみたい。

岩立フォークテキスタイルミュージアム「グジャラード州大地の手仕事」を見に行きました。

今日も先日訪問した展覧会のことですが、岩立フォークテキスタイルミュージアムへ行ってきました。「インド 砂漠の民と美 (前期)グジャラード州 大地の手仕事」前期の展示は見事な刺繍をたっぷりと施された儀礼服が多く展示されていました。

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こちらのミュージアムも事前予約制、時間は50分間、定員4名で時間ごとに入れ替えとなっていました。スリッパの貸し出しが中止されているため、自分でスリッパか靴下の用意が必要です。入口で手指の消毒をし、受付で入場料のお支払いと検温をします。私の訪問した時間帯は2人だけだったので、ほぼ貸し切り状態でゆっくり見られました。

展示はインド・グジャラード州カッチ地方のものが多く、当地は幼児婚の習慣があったため、子供サイズの婚礼服が大変見事でした。隙間がないくらいにびっしりと文様が刺繍され、ミラーが埋め込まれ、その色づかいやデザインがとても素晴らしかったです。どれもが一般家庭の女性が家族のために(自身のための衣服の場合も)、家事の合間にコツコツと手を動かして作られたとのこと。また、上級階級の方のものは職人によって作られたとのことで、それ以上に繊細で細かく上品な加工がされていました。

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婚礼服以外の衣服なども手間暇かかった素晴らしいものでした。幼い時から自分の手をつかい、コミュニティに伝わる伝統的な技法や文様を受け継いで、自分や家族のために惜しみなく時間を注いで大切につくるという価値観が本当に素敵だなと思って、私もここに女性で生まれて子供のころからずっと刺繍をする人生を送ってみたかったなあ・・・と思ったり。

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ミュージアムで研究者の上羽陽子さんによる「インド染色の現場 作り手たちに学ぶ」というグジャラード州でのフィールドワークをまとめた本を購入し、帰ってから読みました。上羽さんの生き生きと現地で刺繍などの技術を習得していく様子や、楽しみと苦労も伴いながら地域の方々や養女となったご家庭や親戚とのお付き合い、研究の様子など、現地に飛び込み、体当たりで体験されていく姿がドキュメンタリーを読んでいるようで魅了され、面白かったです。グジャラード州で大震災があってからは現地の様子も変わってしまった部分があることも書かれており、手仕事を守っていくことは予測不能なことも含め、いろいろな面で大変なことと思いました。

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新しい時代には新しい技術や感性でのものづくりが行われ、共感も多数あることとは思いますが、この美しさの原点のような素晴らしい手仕事が残り続けてくれることを願いつつ、コレクターや研究者の方々の努力あってこそこうして拝見できることに感謝しました。

 

前期の展示は11/7(土)まで。後期はインドの更紗のようです。