先週末は小倉遊亀さんの展覧会を見に平塚へ。
平塚市美術館、初めて伺いました。広々として天井が高く気持ちいい空間でした。
小倉遊亀さんは滋賀県大津市のご出身で、安田靫彦さんに師事し日本画家として歩まれ、たくさんの作品を描き、晩年まで身近な人物や、お花や果物を描き続け105歳まで生きられました。
私は小倉遊亀さんの作品を見るとキリッとした空気や清潔感というか清々しい印象をいつも受けるので、そういう雰囲気がとても好きです。
身近な家族や友人知人など人物を描かれる作品にはあたたかい眼差しを、愛用の器や野菜や果物、お花がモデルでも愛しさを感じていらっしゃったんだろうなと思えます。
観音さまや物語の挿し絵を描くとき、初めて見る風景を描くときなど、心も準備も整えて望まれてたんだとキャプションを拝見しながら、描きながらご自身と向かい合う厳しさも感じました。
マティス展で刺激を受けたり、自画像を描いてみたり、好奇心旺盛でチャレンジし続ける姿勢など、精神の安定も感じました。
長い人生でお仕事や画業、ご家族のことなど、幸せなだけでなくご苦労も多かったことと思いますが、作品からは幸福感がすごく感じられるのは、遊亀さんが精神的にも自立されて人生を受け止めて生きていたからだと思います。
作品に登場する愛用の器たちが展示されていましたが、とても趣味が良かったです。仕事場の写真も整然と片付いており、きちんとした方だったんだと感じました。
絵も素晴らしいですが、そこに品格ある遊亀さんを感じるから魅了されるのかなと改めて思いました。
平塚八幡宮で寄り道して遊んでる間に図録が売り切れてしまって、ポストカード買いました。
犬は愛情を表現しているそうです。
私は20代のときに滋賀県立近代美術館へよく通っていたのですが、たくさんの懐かしい作品が滋賀県からやってきていて感激しました。
この「うす霜」は当時から大好きな作品。梅の枝は天へ向かって伸びることを知り、新芽と青空に希望を感じて好きです。立ち止まってしばらく眺めてました。
「花屑」も好きです。再び見て、初めてサッシが描かれているのに気づきました。
どの作品もそれぞれに素晴らしかった。
20代で見るより今見る方が心に響きました。
また数十年後に再会したとき、私はなにを感じるのかな。
せっかくの平塚なので、帰りは足を伸ばして海岸まで。綺麗な景色も見られて心がリフレッシュした1日でした。