晶の東京日記

本とかアートのこと。東京にいる間は東京を楽しみたい。

サントリー美術館「狩野元信」展を見て。

2017年の展覧会で絶対見たかった「狩野元信」展。
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とはいえ「元信のここが好き」とか語れるようなファンではなくて、狩野派の描いたとされる屏風や障壁画やそれらが収められている寺院や城郭の雰囲気とか、そのくらいの時代の(安土桃山時代の)芸術文化がなんかいいなぁと思う。というくらいの薄いファンです。

なので「じゃあ元信ってどんな人?」と思って見に行きました。

元信は狩野派の二代目にして、狩野派の繁栄の土台を築いた人でした。絵もとても上手なだけじゃなくて、当時流行ってた中国の画風を3パターンの「画体」に分けて(馬遠や夏珪みたいな精密なのは真体ね、玉潤みたいな崩した描写は草体ね、牧谿くらいなら行体。みたいな。)、狩野派の絵師たちがそれを学んで元信のスタイルで描けるようにマニュアルを作って、それを専門絵師集団にして、大きい仕事をどんどん取りにいって業務拡大した人でした。

父の代までは漢画(中国の絵)を描いていたそうですが、元信は和風のやまと絵方面にもレパートリーを広げて扇絵や絵巻物にも進出し、特に扇は室町時代に人気の贈答品で需要が大きかったので、幕府に他の人たちが介入してこないようにお願いして独占してみたり、絵仏師が専門で描いてた仏画の世界にも進出していき、どんどんパトロンも増やして行ったそうです。

すごいですね。やり手ですね。

元信を見たら、次は永徳が気になりました。何かを知ると、次々関心事が派生して興味がつきません。私は絵自体を美的に味わうよりも、なんでこういう表現をしようとしたのか?どんなことを考えてたのか?など、その人自身に興味があるので、元信の、とにかく才能を発揮して大きく活躍していきたいっていう想いを感じて元信が好きになりました。おもしろかったです。